【読んだ】速水健朗『東京β: 更新され続ける都市の物語』

東京β: 更新され続ける都市の物語 (単行本)
槇文彦の競技場の話とか越澤明の都市計画論とか「事前の計画遂行ができない=美しくない=ダメ」式の批判って僕はやっぱ不誠実だと思う。だから本書に通底する、変化する状況を肯定する強い意志には(過去の著作同様)凄く敬意を覚えた。ただ「書いて欲しい事が書いてなかった」的感想だけど、やや小ネタに終始してる感がある。「文化的な事象(この本なら表象)」と「背景にある構造(主に経済)」を連関させて語る人だと思うけど、今回は「これって実はこうだったんすよ」というトリビアルな知識が多く、それ以上のレイヤーに敷衍できない気がした