【読んだ】待鳥聡史『政治改革再考 変貌を遂げた国家の軌跡』

面白かった。90年代からの一連の政治改革(行政改革/日銀大蔵省改革/司法制度改革/地方分権改革)についての本はこれまでも読んだ事があったけど、本書は「土着化」という概念を元にそれらを包括的に分析する。まず一連の改革の根底には、著者が「近代主義右派」と名付ける理念が共通してあると。しかし、政策化し現場に落とし込むまでの間には「土着化」というプロセスがあり、それによって理念とのズレが生じていったのではないか、という事を各論分析で示す。プロセスと結果の問題点は示しつつも、改革自体の意義と必要性は強調されている。