【読んだ】暮沢剛巳『美術館の政治学』

一言で言えば、日本の美術館や文化施設を例に、それがどんな政治的/経済的背景の中で作られ、運営されてるのかという本。東博や民藝館から、国立新美や金沢21世紀まで時制は幅広いが、上梓されたのが2007年なので後者については進行形で書かれている。地方の美術館建設ラッシュや指定管理者制度についてはそれがもたらす苦境について書かれてるけど、希望的ビジョンも描かれてて、両義的。が、やはり、その後の展開はシビアな方に行ったんじゃないか。多文化主義への評価等々、今読むとしたらその後の批判や展開も織り込んだ方が良きかと。