【読んだ】志田陽子『「表現の自由」の明日へ 一人ひとりのために、共存社会のために』

■民主主義という概念が超ロジカルなものなのだと再確認した。民主主義のコンセプトや、表現の自由の必要性みたいな理念と並行して示されるのは、それが法体系の中でどう論理的な整合性をもって運用されているのか、という話だった。むしろ強調されていたその難しさだったように思う。表現の自由は「他者の権利」と衝突する可能性があり(「公共の福祉」の議論)、その解決は簡単ではない。無論本書はそこで議論を終えるのではなく、理念と運用(とレギュレーション)を相互参照しながら、論理性と正統性のある解決策を探るのが肝である。

■「ヘイトスピーチ」と比較的しながら「見識を欠く表現」というのが出てきていて、その解決についても論じられてるんですけど、まあやっぱりこないだの足立区の議員の発言とインタビューを思い出さざるを得なかったっすね。