【読んだ】マルクス・ガブリエル『なぜ世界は存在しないのか』

あらゆる物は「意味の場」の中にしか存在しない。我々はこの「意味の場」とセットになった物を認識しているが、それ自体が「物自体」である(故に我々は物自体を認識できている)。この「意味の場」は多様で、それを統括する「世界」など存在しない。カント以来の形而上学構築主義(あるいは本質主義相対主義)の対立が認識の問題だったのに対し、存在論を打ち立てる事でアポリアを乗り越えたと。この主張の妥当性を判断する程の能力はないけど、哲学が何に取り組み、どういう手続きで論を進めるのか、という入門として超良いと思いました。