【読んだ】田崎英明『ジェンダー/セクシュアリティ』

ジェンダー/セクシュアリティ (思考のフロンティア)
そのうちまた言葉でまとめたいけど、さしあたって「超面白すぎた」という興奮は書き留めておきたい。キーのひとつが「栄養的生」という概念なんだけど、これが面白かった。要はアガンベンなんだけど、ビオス/ゾーエーの区分を踏まえた上で更にラディカルにした感じ。

動物的な生が、外部との関係で規定されているのに対して、むしろ、内部との関係において規定される生こそが「栄養的生」なのである。

生きるということは、外界からの栄養摂取に先だって、まず、自分自身を貪ることではないだろうか。たしかに、生き物は自己を作り出し、自己を維持する。だが、それは「自己」を糧とし、「自己」によって養われることではないか。

たとえば、言語を、「私」のものとは思えないように使うこと。誰が読んでも、「これは私の言語ではない」と呟くことしかできないように用いること。まずは、言語に対する「私」の支配権(サディズムの基本はこれである)を放棄すること。

このような「私」から「自己」への移行ないし逸脱に、セクシュアリティはどう関わってくるのだろうか。

ジェンダー/セクシュアリティ (思考のフロンティア)

ジェンダー/セクシュアリティ (思考のフロンティア)