【読んだ】田崎英明『ジェンダー/セクシュアリティ』
そのうちまた言葉でまとめたいけど、さしあたって「超面白すぎた」という興奮は書き留めておきたい。キーのひとつが「栄養的生」という概念なんだけど、これが面白かった。要はアガンベンなんだけど、ビオス/ゾーエーの区分を踏まえた上で更にラディカルにした感じ。
動物的な生が、外部との関係で規定されているのに対して、むしろ、内部との関係において規定される生こそが「栄養的生」なのである。
生きるということは、外界からの栄養摂取に先だって、まず、自分自身を貪ることではないだろうか。たしかに、生き物は自己を作り出し、自己を維持する。だが、それは「自己」を糧とし、「自己」によって養われることではないか。
たとえば、言語を、「私」のものとは思えないように使うこと。誰が読んでも、「これは私の言語ではない」と呟くことしかできないように用いること。まずは、言語に対する「私」の支配権(サディズムの基本はこれである)を放棄すること。
このような「私」から「自己」への移行ないし逸脱に、セクシュアリティはどう関わってくるのだろうか。
- 作者: 田崎英明
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2000/09/21
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