【読んだ】熊野純彦『カント 美と倫理とのはざまで』

カント 美と倫理とのはざまで
■基本的には、第三批判を主としてカントの哲学概念を解説する本。カントって多分、色んな概念を他の概念との関係の中で定義付けていった人だと思うんだが、第三批判でのそれは病的に精密かつラディカルだったっぽい。なのでこの本も基本的にはとことん論理的で、かなり難しいという印象も抱いた。ただ最終的に提示される話は結構エモめで、カントは実は元々神学的なモチーフに魅せられていたんだが、それが第一批判の立論の過程で一度断念されたと。しかし第三批判に至って再度、一旦断念した神学的なテーマに取り組んだという事が明らかにされる。

■今まで「カントくらい当然読んでますよ」みたいな涼しい顔して生きてきましたけどまぁ当然本当は読んでいない訳ですが、やっぱこれは読まなあかんなあ。まぁでもこの手の本は多分一生読み続けられるんだからコスパとして最強すぎる。

カント 美と倫理とのはざまで

カント 美と倫理とのはざまで